IIDXの筐体には各部ごとに様々なバリエーションがあり、場合によっては出荷時と違う組み合わせや設定がされていることもありプレイ感に大きな差が出る場合がある。 ここでは鍵盤や皿、音量などのメンテナンスなどによって細かく店舗ごとに差が出るものを除いたいくつかの要素についての紹介をする。 また内部的にどのように処理がされているかは不明だが、判定などに関しては「判定ライン」という概念を用いての解説となる。 これは実際に画面上に表示される赤ラインよりも高い位置あるいは低い位置がジャストの位置になっている、という感じ方から来る便宜上のものと理解していただきたい。
また多くの部分の詳細が不明なため、一部体感をもとにした予想などがあり不正確な情報が含まれている可能性も高いため、参考程度のものと思っていただければ幸いである。
判定位置に大きく関わる筐体の差については以下の3つの要素がある。
- ディスプレイ ― 6種類(リアプロ、ブラウン管、DJT液晶、EMP液晶、tricoro液晶、その他非純正)
- 基板 ― 4種類(初代、9th、GOLD、RA、tricoro)
- ディスプレイタイプ ― 2種類(TYPE A、TYPE B)→tricoroからSDとHDの二種類に変更
ディスプレイ
おそらく判定ラインに最も影響していると思われる要素。ブラウン管については表示位置、縦横比などについて設定が可能なため筐体ごとに見え方に多少の差がある。 液晶は明度輝度コントラストの変更が可能。
40インチの巨大なモニタだが経年劣化で輝度が落ちやすく、現在稼働していたとしても通常のプレイも厳しいレベルに劣化している可能性もある。 4th前後で筐体の生産は一旦停止していたようで、初代〜9thと書いたが実際には新しくても12年以上前のものとなる。
CRTとも呼ばれる。36インチで純正のものの中では最小。 銀枠に囲まれており後述の液晶より手前にせり出して設置されるため画面との距離は近くなる。 遅延が少ない。
LCDとも。37インチ。現在もっとも稼働数の多いと思われる液晶。 黒枠でブラウン管に比べてやや奥に引っ込んでいて距離が離れているが画面の大きさがやや大きいので体感的にはそこまで大きな差はないと思われる。 ブラウン管に比べてやや遅延があると思われる。
デザインはDJT液晶とおそらく同じ。 DJT液晶に比べるとデフォルトの設定の違いからかかなり明るい場合が多い。 ディスプレイ下部の枠に貼られているシールがDJT液晶は黒地に白文字だが、こちらは白地に黒文字となっているので判別が可能。 遅延はおそらくDJT液晶よりも大きく判定タイミングが早い。
DJT液晶、EMP液晶よりもさらに明るい設定がデフォルトとなっている。 遅延はおそらくDJT液晶よりも小さく判定タイミングが遅い。 液晶面にグレア加工がされており光沢があるためか、ノーツがやや見づらい場合も。
店ごとに様々なものを使用している場合があるため、サイズや仕様に関しては千差万別。 多くの場合は遅延が純正モニタより大きく体感の判定ラインが大きく異なっている。
基板
推測の域を出ないがおそらくこの部分による差異は入力に対するレスポンスであると思われる。 tricoroにバージョンアップする際に大幅な換装が行われたため、内部的な差は少なくなったと思われるが、処理落ちバグなどが初代筐体に多発することからも完全に同一のものではない可能性もある。
USB1.1の入出力基板を後付けしていると思われる。レスポンスが悪く、単純かつ乱暴に言ってしまうと一定のリズムで叩いても光らない場合がある。 先述のように5th前後〜9thは筐体の生産がされていないため実質1st〜4th基板。 皿のセンサーの違いからか、SUD+などの調整をする際に"ぶっ飛ぶ"ことがしばしばある。これは初代基板のみに起こる現象だと思われる。
9th styleからのPCベースに対応した基板。 初代基板よりやや皿のレスポンスが多少安定していると言われているが、USB基板はおそらく1.1ベース。 これ以前の基板の入った筐体のことをディスプレイに関わらず旧筐体と総称することが多い。
レスポンスの大幅な改善がされており安定している。 GOLD当時、新筐体と呼ばれそれ以前のものと大きな差があり、アップデートで差は多少軽減したものの依然差はありこれ以降の基板を理想的とする人が多い。 GOLD時に出荷されたものにはブラウン管が、DJT以降に出荷されたものには液晶が乗っている場合が多い。 推測ではあるがDJT筐体も基板に関してはGOLD時のものと同じではないかと思われる。
GOLD稼動時に出荷されたものの中にも稀にDD以前の筐体を表面上のみアレンジしたものが含まれているとの説もある。 実際にそうであるならばこれらを外から見分ける方法はないと思われる。
皿のレスポンスが大幅に改善されており、Lincleではソフトウェア上で皿の感度が調節されているが、RAの時点では大きな差があった。 その他の部分についてGOLD~SIRと違いがあるかは不明。 EMP筐体の基板もおそらくこれと同様のものでありEMP基板と呼ぶ方が正しいかもしれないが、RA時に新スピーカーの新筐体が販売されたこともありRA筐体と呼ばれることが多いので便宜上RA基板とした。
詳細調査中。
液晶ディスプレイへの出力サイズがHDに変更されたため、従来のディスプレイタイプによる判定タイミング調整ではなく、出力設定をオプションで選択する方式に変更された。 SD設定とHD設定の二種類が存在する。 ブラウン管ディスプレイではHD設定を選択することはおそらく不可能であり、液晶ディスプレイでSD設定を選択すると表示が粗くノイズが乗る。 従来のディスプレイタイプと異なり、タイトル画面に設定が表示されることはないが、SD出力されている液晶ディスプレイでは小さい文字などが非常に読みづらいため比較的容易に判別が可能。 SD設定の液晶ディスプレイでは判定タイミングが非常に早くなる。
ディスプレイタイプ(DJT~LCまでに存在した設定項目)
筐体のオペレーター向けメニューから変更可能なオプション。 判定タイミングを調節することができる。 液晶筐体の遅延に対応したTYPE Bと従来通りのTYPE Aの二種類がある。 タイトル画面右上に表示されており稼働中の筐体の画面上で確認が可能。
TYPE A ブラウン管向け設定。 DJT液晶筐体でこちらに設定すると判定タイミングが早くなり、ブラウン管筐体の判定タイミングに体感的に近くなる。 DJT〜EMP時にアドアーズ系列が全店舗向けマニュアルに実際のディスプレイに関わらずTYPE A設定にするよう指示されていたため、一部の店舗では液晶TYPE A設定の場合があった。
TYPE B 液晶の遅延に対応した設定。 遅延に対する補整量が大きすぎるのか、DJT液晶にTYPE Bを設定すると、表示の遅延があるにも関わらずブラウン管TYPE Aに比べ判定タイミングは遅くなる。 DJT液晶よりも遅延が大きいと思われるRA液晶の場合は、遅延に対する補整量の関係から判定タイミング早くなりブラウン管TYPE Aに近くなる。
「初代~8th」や「DJT~SIR」のように表記しているが、実際には4th~8th、SIRIUS、Lincleでは新規で筐体の販売はされておらず、そのバージョンの基板などは存在しない。
|
|