はじめにフローティングハイスピードの登場によって、曲中にBPMが変化する譜面に様々な対策が取れるようになった。 ここでは各種対策法をそれらが特に有効であると思われる譜面を挙げながら紹介する。 同じ譜面であってもフルコンやスコア、クリアなど、目的に応じてどの方法がもっとも有効であるかは異なるので試行錯誤が必要である。 譜面サイトなどでBPM変化のタイミングなどを事前に予習しておく必要があるが、ある程度はパターン化してまとめて押さえてしまうこともできる。
※なお、フローティングハイスピードはFHS、通常ハイスピードはNHSと表記し、HSとのみ書いた場合には倍率を指すものとする。
前提知識- NHSは1.0~4.0までの範囲で0.25刻みで変更可能
- FHSは0.50~10.00までの0.01刻みで変更可能、鍵盤操作時は0.50刻みでHSが変化する(NHSの倍の幅)
- FHS使用時にSTARTを押しながらスクラッチを操作すると、曲開始時にスクラッチ操作で設定した緑数字になるようにHSが瞬時に変化する(鍵盤でHSを変更した場合はその緑数字は保存されない)
- BPMがx倍になると緑数字は1/x倍になる
- 操作の猶予時間は拍数×60÷BPMで求めることができる(秒) ex.SYNC-ANTHEM(SPA) の加速前は 2拍×60÷BPM160=0.75秒 の猶予時間
テクニック各種A. 事前に緑数字を調節しておく方法
イントロ部分などの一部のみBPMが異なる曲のメインとなるBPM部分にあらかじめ緑数字を合わせておく方法。 BPMが1.1倍になるのであれば緑数字を1.1倍に、BPMが6倍になるのであれば緑数字を6倍にしておくこととなる。
メリット :プレー中の操作が不要、計算が比較的容易 デメリット:プレー中に緑数字が変化してしまう
この方法が向いている譜面:moon_child、Pink Rose、Concertino in Blue、Votum stellarum、Marie Antoinette、MAX300、Session12-Eshter-など(下線の3曲はすべてBPMがおよそ1.1倍になる)
B. SUD+つけ外しによる方法
高速部分はSUD+なしで、低速部分はSUD+でプレーする。
メリット :譜面を問わずあらゆるケースに対応できる、片手で操作ができる デメリット:慣れないSUD+の位置でのプレーを強いられる
ミスをしづらく操作も簡単だが、スコアを狙いづらくなる場合もある。 LIFTを上げることで、SUD+使用時となしの状態でのHS差を小さくすることが可能。
速度変化のない曲で普段用いているBPM×HSの値を覚えておくと、その値を高速部分のBPMで割ることで適正HSを計算することができる。
ex. 普段BPM150の曲をHS2.75でプレーしている場合、HS×BPMは412.5なのでCHECKING YOU OUTの高速部分の適正HSは412.5÷216≒1.91
この方法が向いている譜面:2種類のBPMがメインとなっている譜面、操作時間の猶予が少ない譜面
C. 鍵盤によるHS変更方法
STARTを押しながら鍵盤を操作することでHS倍率を変更する。
メリット :SUD+の位置を変えずにHS変更ができる、譜面によってはノーツを拾いながらHS変更ができる デメリット:HSの変化幅が大きいため完全に緑数字を固定したまま対応できる譜面が少ない
変更幅によっては操作に時間がかかってしまうが、BPMの変化幅が等倍である場合などに使いやすい。 鍵盤の操作は同時押しであってもすべて認識されるため、246同時押しで3段階一気にHSを変更することもできる。
NHSとFHSで変化幅が違うため、変化幅を大きくしたい場合や0.01刻みのHSから変更したい場合にはFHSを使用するとよい。
この方法が向いている譜面:A、卑弥呼(中盤の低速)、桜(擬似停止~加速まで)、Cradle、eRAseRmOToRpHAntOMなど
応用編
FHS使用時は以下の計算式を用いて、鍵盤操作の回数から曲開始時のHSを求めることができる。
(曲開始時のHS) = (変化後のBPM) × 0.5 × (鍵盤を押す回数) / (BPMの差)
ex. TRANOIDでこの方法を使用する場合(鍵盤を押す回数をnとする) 190×0.5×n/(190-130)=1.5833…×n よって、鍵盤を1回押してHS変更する場合は曲開始時はHS1.58になるように、2回押してHS変更をする場合は曲開始時に3.16になるようにSUD+を調整すればよい 普段プレーしているBPM×HSと近くなるものを選ぶのがよいだろう
D. FHS時のスクラッチ操作によるHS変更
BPM変化後にSTARTを押しながらスクラッチを操作することで緑数字を維持する。
メリット :ワンアクションでHSを完全に緑数字を維持したまま変更できる、譜面によってはノーツを拾いながらHS変更ができる デメリット:SUD+などの位置が変わる、ノーツが降ってくると同時にBPMが変化する曲に対応できない(ex.少年Aではノーツを捨てずに変更できるが、Aでは不可)、SUD+不使用時では不可能
FHSの登場によって可能になった非常に強力でミスのしづらいHS変更方法。 これまでHS変更がしづらかった譜面にも対応できる。 HS変更時に捨てるノーツが大幅に少なくて済む場合も。
この方法が向いている譜面:Session 1 -Genesis-、少年A、She is my wife(タイミング注意)、1st Samurai(タイミング注意)、NNRT、Raison d'être~交差する宿命~(要捨てノーツ)、桜(加速時)など
E. FHS時の鍵盤によるHS操作を利用したスクラッチによるHS変更方法
前述のスクラッチ操作によるHS変更の応用。 BPM変化前にHS変更をしたい場合に、あらかじめBPM変化後に合わせた緑数字に設定しておき、その後鍵盤でHSを変更し、BPM変化直前にSTARTを押しながらスクラッチを操作する。
ex.緑数字300でCHCKING YOU OUTをプレーする場合 ①緑数字を600に調節し、HSが0.50の倍数になるようにSUD+を調節する ②STARTを押しながら鍵盤を操作し、HSが倍になるように調節する(緑数字は半分の300になる) ③加速前にSTARTを押しながらスクラッチを操作する(緑数字が600になる) ④加速後のBPMは倍になるため、高速地帯は緑数字300の状態でプレーができる
メリット :BPM変化前の操作でHSが変更ができる デメリット:HSが0.50の倍数になるSUD+の位置でプレーしなければならない、事前準備がやや複雑、ラクエンなどHSを戻す必要がある場合には鍵盤でのHS変更をしなければならない、SUD+不使用時は不可能
この方法が向いている譜面:BPM変化後に操作する猶予がほとんどなく、BPM変化前に操作の猶予がある譜面 CHECKING YOU OUT、ラクエン、大桟橋、dual controlなど
F. FHSからNHSに切り替える際のHS変化を利用した方法
FHSからNHSに切り替える際に、0.25刻みのNHSでもっとも近い値にHSが変化することを利用する方法。 微妙な変化幅をBPM変化前にHS変更するのに有効。
事前に以下の計算式を用いてFHSの値を調整しておく必要がある。
計算式 (FHSの値) = (変速後のNHS) × {(変速後のBPM) / (変速前のBPM)}
ex. SYNC-ANTHEM(BPM160からBPM166に変化)で用いる場合 加速後をHS2.75でプレーしたいのであれば、FHS2.85(2.75×166÷160≒2.85)でBPM160部分をプレーし、BPM166になる前にFHSを解除することでSUD+の位置と緑数字を変えずにプレーができる。
HS変更後のNHSの値ごとに対応できるBPMの変化幅に違いがあり、HSが小さいほど大きな変化にも対応することができる。 詳細は以下の表参照。
対応表 対応できるBPM変化幅 | -12%~+200% | ±9.6%以下 | ±8%以下 | ±6.9%以下 | ±6%以下 | ±5.3%以下 | ±4.8%以下 | ±4.4%以下 | ±4%以下 | ±3.7%以下 | ±3.4%以下 | ±3.2%以下 | -250%~+3% | HS変更前のFHS | 0.50~1.12 | 1.13~1.37 | 1.38~1.62 | 1.63~1.87 | 1.88~2.12 | 2.13~2.37 | 2.38~2.62 | 2.63~2.87 | 2.88~3.12 | 3.13~3.37 | 3.38~3.62 | 3.63~3.87 | 3.88~10.00 | HS変更後のNHS | 1.00 | 1.25 | 1.50 | 1.75 | 2.00 | 2.25 | 2.50 | 2.75 | 3.00 | 3.25 | 3.50 | 3.75 | 4.00 |
メリット :SUD+位置も緑数字も一切変更することなくHS変更ができる、小さなBPM変化幅に対応しやすい デメリット:事前の計算が非常に面倒、有効な楽曲が現状では少ない、2P側での操作が多少むずかしい
この方法が向いている譜面:SYNC-ANTHEM
曲別対策まとめ文責:DATURA |
|